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ダッシュで買いに行ったプリンケーキ

中学生だからこその一生懸命さにほっこり微笑ましくなりました。きっとお友達が喜ぶ顔を思い浮 かべながらダッシュしたんだろうなぁ。そんな風に一生懸命サプライズしてもらったら絶対嬉しいですよ ね!

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Original Episode

どうしても間に合わせたかったプリンケーキ

中学3年生のときのこと。仲良くなった友人の誕生日が土曜日にあって、その子はプリンが大好物で、常々「お腹いっぱいプリンを食べたい」と言っていた。だから、私はなんとしてもその子の誕生日をプリンケーキでお祝いしたかった。そこで、土曜日は午前授業だったので、ある計画を立てた。授業もホームルームも終わり、掃除の時間。友人は生憎、誕生日なのに掃除当番だったので、その隙に…… 私は学校から駅までダッシュ、電車で3駅隣にある、プリンが有名なケーキ屋さんに駆け込み、ホールのプリンケーキを購入し、今度は傾かないように胸の前でそうっと持ちながら、足だけ超ダッシュ。そして電車でまた学校の駅まで戻り、電車から学校の正門から教室までまたダッシュ。そして、掃除当番を終えてのんびり帰り支度をしていた友人の元にケーキをお披露目! 足を止めておいて欲しいとお願いしていたクラスメートの協力もあって、無事に、友人にホールのプリンケーキを届けられました。「ええ〜!!?」と大喜びしてくれた友人の前で、しれっと涼しい表情でハッピーバースデーを歌いました。 今振り返ると、一緒にケーキを食べに行けばよかったんじゃないか、とか、サプライズにしなくても喜んでくれたんじゃないか、とも思うのですが、誘うのではなく、仲良しになったその子に何かを贈るぞ、という気持ちが強かったように思います。人生であんなにダッシュして頑張ってお祝いしたお誕生日は、あの日だけです。

すいすい さん

  • 誕生日

Comic

小菊えりか

茨城県在住の漫画家。SNSでぶきっちょ夫とにこにこ妻のお話を自主連載。2024年に『ずっと一緒にいられたら』というタイトルで書籍化。誕生日に食べたいごはんはちょっといい焼肉。

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年下彼のハンバーグ

小菊えりか

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小菊えりか

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台湾の鍋

実は鍋メニューが充実する国、台湾。出張時に仕事仲間から紹介され、ぜひ家族にも教えてあげたいとプライベートでも訪れるほどはまった鍋がある。長白小館というお店の酸菜白肉火鍋。漢字から想像できるように、酸味のある白菜の漬物と豚肉を重ねている。それだけでもおいしそうな見た目なのだが、席から離れたたれコーナーで10種類を超える調味料や具材を組み合わせ、好みのつけだれを調合するのが楽しい。いざ家族を台湾に連れてきてみると、八角の香りが苦手で食べられないメニューもあったが、この鍋は小さな子どもたちにも好評だった。もう10年近く前の家族旅行だが、いまでも振り返ると必ず話題にのぼるハイライトだ。

ヤマ さん

お誕生日おめでとう

大学生の頃、付き合ってた彼も同じく大学生で2人とも美術を専攻していたこともあり、バイト代のほとんどを制作費に費やしお金がなかった。 でも、その頃は制作が一番で、2人でいて楽しければ、それで満足していた。 そんな中、私の誕生日が近づいてきた。しかし、彼の方が数日後に展覧会を控えており、気持ち的にもお金的にもお誕生日パーティーどころではなかった。私も仕方ないかと思っていたら、誕生日前日22時ごろ彼から「今から家に来れる?」と連絡が来た。丁度バイト帰りだったので、出かける手間など感じず、彼の家に向かった。 彼の家に着くと彼は「明日お誕生日だからさ、一緒に迎えたかったんだ」と言ってくれ、私は忙しい中、時間を作ってくれたことがとても嬉しかった。 そこからしばらくおしゃべりをし、0時を過ぎようとしたころ、彼が「ちょっと待ってて!」と言い、キッチンへ。「まさかケーキとか用意してくれてるの?」と私は内心、超テンションぶち上がりになった。 そして、部屋の電気が消され、ビートルズのハッピーバースデーが流れ出しいよいよだ!、とドキドキして待ったなしでいると、彼が「お誕生日おめえええええぇえ?!!!」と叫びに近い声で入ってきた。 彼の手元を見ると、ファミレスのとりわけ皿くらいの小さい皿持っている。それには何か載っており、さらにその何かの上に大きな火の塊ができていた。私は咄嗟に息を吹き掛けたが消えることもなく、むしろ彼に燃え移りそうで、2人でわたわたしてるうちに火は自然に消えた。(とても安心したのを覚えている) 火が消えて、部屋の電気をつけると、彼の持っていた皿には蝋だらけのチョコパイが載っていた。当時、彼は食事の代わりによくチョコパイを食べており、それは好物でもあったので、決して人にあげることはなった。(さすがの当時でも、金がないうえにすごくケチだな、一個くらいくれよ、と思っていた。) お金も時間もなかった彼は、自分の大切なチョコパイをケーキとして私に用意していたのだった。でも、ただ渡すだけでは流石に味気ないと思ったようで、私の年齢の数、約20本の誕生日ケーキ用の蝋燭を指していたのだ、直径10センチほどのチョコパイに。 そこに点火し一気に燃え移り、先のような状態になってしまい、蝋だらけのチョコパイが残ったのだ。 彼は「これじゃ食べられないね。」ととても悲しそうな顔をして、新しいチョコパイを私にくれた。 気がついたら日付は変わっていて、私は一つ年をとっていた。 誕生日とはいえ彼がチョコパイを分けてくれたこと、そして何よりもこんなにハラハラして笑いながら誕生日を迎えたのは初めてだったので、「とても楽しい誕生日ケーキをありがとう。」的なことを言って、2人でチョコパイを半分こして食べた。 その後、彼とは社会人のなり方ですれ違い、別れてしまったが、今でも定期的に会うような間柄である。もう10年以上は経つが、自分の誕生日だけでなく、家族の誕生日ケーキを見るだけで、あの日の炎のチョコパイバースデーを思い出し、ニヤリとしてしまう。

タミー さん

ほたて缶の高校生パスタ

高校生の頃、友だちがうちに遊びにきていたときのこと。お腹が空いたけれど、お菓子が何もなくて、家を出るのも面倒……。料理上手な友だちが「なにか作ろう」と言い出して、シンク下を一緒にガサゴソ。するとパスタの乾麺とほたて缶を2つ発見!「これなら作れる。ほたてパスタにしよう」とキラキラした目で言い出し、手際よく、ほたての旨みたっぷりパスタをつくってくれました(私は盛り上げ担当)。できたパスタはとっても美味しくて、こんなものがお家で…?!と驚くほど。二人で何度も「おいしいね」と言いながら食べ切りました。その後、友だちはそのほたてパスタの作り方を教えてくれた叔母さんに「ほたて缶をまるまる使ったらそれは美味しくなるよ」と言われたそうですが、ほたて缶の力だけではない美味しさがあったんだと思います。その頃から10年経った今でも、ほたて缶を見るたびに「ほたてパスタ作ろうかな…?」と思いますが、今作ってもあの美味しさは越えられないんだろうなぁと思ったり、そして、ほたて缶の価格に怖気付いて、そっと次のコーナーに向かっています。

ちりこ さん

年末年始の寿司

東京から帰ってきたら、実家に豪勢な寿司が並んでいた。近隣に海がない関東のお寿司は美味しいが、ネタが小さくて割高だと感じる。でも、海に面した地元だと、安くて大きな身の寿司がたくさん食べられる。これこれ!食卓に並んだプリップリのブリに舌鼓を打つ。歯応えがあるのに、口の中でとろける。東京価格だと10万円くらい払ってもいいけど、驚くほど安くでこんなご馳走を味わえる。こんな美味しいお寿司を小さいときからたくさん食べさせてくれた地元と、両親に感謝したい。

寿司五郎 さん

ニューオリンズ

ニューオリンズで、バーボンストリートでお酒を飲みながら、そこらかしこに響くジャズを楽しんだのはいい食の体験だった。ほかの場所では外でお酒を飲むのを禁止されていることもあって、特別な感じがしたのと、カフェからストリートから、BARから、そこら中に音楽があふれているあの空気感は、やっぱり他では味わえない体験だなぁと感じた。

ジャズー さん

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アルプスで山ご飯

初めてアルプスに登り、縦走に挑戦した。 登山経験も少ない中で、体力は奪われへとへとになりながら、何とか登頂した。 友達と持ってきた材料で鍋をして食べた。 色々な日常の悩みも忘れて、ただただ美味しいご飯だった。

ハイカー さん

誕生日がクリスマス

私の誕生日は12月24日。そうクリスマスだ。幼少期はこれがとても嫌だった。なぜなら、ケーキを食べる機会が被ってしまい、一回分食べられなくなるからだ。友達の家は誕生日とクリスマスにどちらもケーキを食べると聞いたとき、ひどく損した気分になって自分の運命を恨んだものだ。しかし、今になって気づくと、誕生日と行事が被っているというのは幸せなことだったなと思う。すぐに覚えてもらえるし、フライドチキンなどのご馳走も一緒に頼んでくれたから、同級生と比較しても、ひときわ豪華な誕生日だったと思う。親に感謝だなぁ。

しょんぼりクリスマス さん

出張で訪れたフィレンツエで出会った辛いトマトソースのパスタ

初めてのイタリアは出張だった。数年に及ぶ難しいプロジェクトの締めくくりに、ピサ、フィレンツエと回った。最終日に同行した取引先の2人と食べたシンプルなパスタが記憶に刻まれている。唐辛子がぴりっと辛く、にんにくがきいたトマトソースにパセリがちらされたシンプルな見た目。アラビアータかと思ったが、カレッティエラというフィレンツエの名物らしい。見た目より奥深い味わいに舌鼓を打った。毎回打上げは仕事のご褒美だと思っているが、このパスタは格別だった。

よっちゃん さん

鴨川のほとりの春を感じる食

春の京都に行くといつもいく店がある。 鴨川のほとりで柳の木の緑が美しく見えるお店だ。 旬の野菜の魅力をそのままおいしく出してくれる。 お店はドアが開かれてきて、春の風を感じることができる。

MK さん

給食が嫌いだった

給食が嫌いだった。 ”決められた時間で食べ終えなければいけない”  ”給食当番がかなりめんどくさくて大変” ”残してはいけないというあの雰囲気” 栄養価が高い以外のメリットをあまり感じていなかった。だから、高校生になって給食がなくなったときはすごく嬉しかった。でも、ある日友達と好きな給食のメニューの話ですごく盛り上がった。違う中学校で住んでいる地域も違う。なのに給食という共通の思い出は合って、そのことが嬉しかったし面白かったのだ。 栄養価が高い以外にもメリットがあった。それは給食という共通の思い出を私たちに提供してくれていることだ。そう考えると無性に食べたくなった。

ペパーミント さん

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