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冬の予備校帰りに食べたカツ丼の味

なんでもないご飯なのに、とても感動することがある。 受験生だったとき、朝から晩まで勉強で我ながらよく頑張っていた気がする。 しかし成績は思い通りに伸びるわけではなく、よく落ち込んでいた。 たしか、模試の結果が良くなく、落ち込みながら帰った帰り道。 ふと見つけたカツ丼屋に吸いこまれていった。 寒くて凍えるような日で、出てきたカツ丼を食べて、あまりのおいしさに少し涙が出た。 あれ以来、色々なカツ丼を食べたけど、あの日のカツ丼を超えることはまだない。

さいとう さん

徳島で食べた大きい金時豆の入ったお好み焼き

10年ほど前。阿波踊りで訪れた徳島。その日仕事で初めて会った、二回りくらい年上の気怠い感じのおじさん2人。見物の合間に「ちょっと休みますか」と連れていかれたのは街中の鉄板屋らしきお店だった。当然のように出てきた銀色のカップにはお好み焼きの具材が入っているようだが何だか様子が違う。赤茶色の大きい豆が入っているのだ。これなんですか?と聞く間もなくビールが出てきて乾杯!となり、これまたあっという間にお好み焼き「風」のものが焼きあがって、どうぞ、とすすめられるままに口にしたら…これがうまかった。後に知ったが豆玉と言うご当地メニューで、豆は甘く煮た金時豆。2人のおじさんのことは顔も名前も忘れてしまったが、甘じょっぱい徳島のお好み焼きは記憶に刻まれている。もうすぐ今年も8月、阿波踊りの季節だ。行こうかな、徳島へ。

ケイン さん

大阪のおでん屋さんのうどん

20代前半、社会人になって間もないころ、慣れない出張で大阪へ。緊張しながらも取引先と日中の仕事を無事終えることができた。夜は打上げで大いに盛り上がり、1軒で3時間は過ぎていただろうか。すでにだいぶお酒も呑んでいた。店を出ると、「締めの一杯行こうぜ」と言われ、まだ呑むのかよ、勘弁してくれよ、と思いつつ千鳥足で歩き回り、営業しているおでん屋さんをみつけ飛び込んだ。とりあえずじゃないけどビールとおでんを少々頼み再度乾杯。そこで口にしたおでんのおだしが・・・うまい。東京と違う。地域によっておだしが異なるという知識はあったが、体験したのは初めてだった。さらに若かった私はまたお腹がすき始めていることに気づき、おでんでは飽き足らず、何か追加注文しようと思い立った。「うどん頼んでいいすか」と取引先に伝えると、「いいよ、しっかしお前、よく食うなぁ―」と上機嫌。でてきたのはシンプルきわまりない素うどんだったが、これが五臓六腑にしみわたるうまさ。そもそも、なんでおでん屋にうどんがあるんだ?、東京にはおでん屋ってないよなあ、大阪なんかいいな、と思いながらうどんをすすってあっという間に完食。取引先は半寝状態。何だか大人の階段を上った気がした夜だった。

河童 さん

おばあちゃんのからみ餅

子どものころ、毎年12月になると祖父母の家では親族が集まり、もち米を突いてお餅をつくっていた。 お小遣いをねだりに遊びに行くと、祖母が「お餅いるかい?」とよく食べさせてくれた。その際「どうやって食べる?」と聞いてくれる。家では磯部餅しか食べなかったが、祖母とはお餅を茹でてから大根おろしにしょうゆかけるからみ餅をよく食べた。磯部餅とは異なり、やらわかくて食べやすい。いま思えば祖母のやさしさと重なる。 大人になって知ったが、からみ餅は埼玉や福島の地元ごはんらしい。当時私や祖父母は埼玉にほど近い東京の北多摩地区に住んでいたので、伝わっていたのだろう。

フミ さん

おばあちゃんの民宿

沖縄の慶良間諸島に旅行にいったときに、おばあちゃんが運営している民宿に泊まった。 ビジネスライクな宿が増えている中、良い意味でおせっかいをやいてくれて、ゴウヤチャンプルーとか、食べたいものを作って出してくれた。 朝はニワトリの鳴き声とともに目覚め、おばあちゃんが朝食を出してくれる。 なぜかすごく懐かしい感じがして、居心地がよくて、また食べにいきたいなと思っている。

ららばい さん

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あぁ、我が故郷の味わらびもち

僕が小さいときからきなこをかけて食べていたわらびもち。量が多くて激安。我が家のおやつは常にこれだった。でも、大人になってから兵庫県を出るとまったく店に置いていなくて焦った。その事実に気づいてからは、兵庫に戻るたびに大量に買って、あのすきとおったプルプル食感のもちに舌鼓を打っている。

高田 さん

おじいちゃんのくじら汁

おじいちゃんの家に行くと、おじいちゃんが時々食べていた、茄子とくじらの白いとこがはいったくじら汁。子供はなぜかあまりもらえなくて、おねだりして少しだけ分けてもらっていた。おじいちゃんもおばあちゃんもすでに他界してしまったけど、地元に帰っておじいちゃんが住んでいた家のあたりを通ると思い出すのは、おねだりして少し分けてもらったあの時の味と風景。

けっぱれ さん

こんなときだから

大学生の頃、悲しい知らせがあって、急に一人暮らしの家を出て、九州の実家に帰省することとなった。自炊が習慣化していた私は、その前夜にたくさんの野菜やお肉・魚類を買い溜めて、一人暮らし用の小さな冷蔵庫をいっぱいにしていた。あまりにも悲しそうな私を見かねて、彼氏が私の家から空港まで送ってくれると言ってくれた。悲しい気持ちを味わい、そして翌朝の出発の準備をしながら、冷静な頭ではその大量の食材をどうにかしないと、という思いがあり、なぜか私は食材を使い切る勢いでごはんを作った。自炊は習慣化していたけれどそこまで手際が良い訳なかった私だが、なぜかそのときはどんどん料理を作った。今思えば料理は一つのセラピーのようで、手元に集中することが心地よかった。彼氏が夜のうちに家に来てくれたとき、テーブルに並んだ大量の食事を見て驚いていたけれど、その夜、その食事を美味しそうに次々たいらげてくれた。私はどこか安心した気持ちで、翌朝、九州に帰省した。

tree さん

同僚彼氏とのおつかれごはん

会社の同僚と付き合っていたときのこと。帰り際にくる「今夜、乾杯する?」の誘い文句。ビールの絵文字で元気に応えて、彼の家に集合! 彼は料理上手なので短い時間でもサッと料理を出してくれる。かたや、私はお酒担当。美味しそうな日本酒、ワイン、果実酒サワー。その日のごはんに合いそうなお酒をちょっといいスーパーで見繕って買って行く担当。そして、ちょっと遅い時間、元気にふたつのグラスを重ねての「お疲れ様ー!かんぱーい!」は至福のときでした。そんな日々から10年経った今は、子どもたちが眠った後、二人だけで(子どもたちを起こさないように)静かに乾杯をしています。

ぐうぐう さん

長野のくるみそば

地元のひとにすすめられて食べた、くるみそば。そばつゆにくるみの粉末がたっぷり入っていて、ドロドロの見た目。食べるとくるみの香ばしさが口中に広がって、忘れられない味でした。お土産に買って帰ったけれど、家では同じ味が再現できず。また食べに行きたいなぁ

そば大好き さん